近年,低消費電力の集積回路の開発に大きな関心が集まっています。 超伝導単一磁束量子(SFQ)回路は 半導体回路より少ない消費電力で高速計算を実現できると期待されています。 これまでにマイクロプロセッサなどの回路の試作に成功しています。
このSFQ回路は、半導体技術のロードマップを策定している ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)の 2003年版のレポートで半導体代替ロジックデバイスとして現在のところもっとも有望であると 報告されています。
これまでのSFQ回路についての研究はデバイスレベルの側面が中心でした。 SFQ回路には、パルス論理を用いる(各論理ゲートにクロック入力が存在する)など半導体回路とは異なる性質があるのですが、 このようなSFQ回路の性質に合った設計自動化手法についての研究は多くはありませんでした。 そこで、SFQ回路の大規模化を見据えて、SFQ回路の特性に合った回路設計自動化の研究を行っています。 主に、自動配置配線、故障診断を対象としています。
図. 製作したSFQ回路自動配置配線ツール
ディジタル回路を用いたさまざまなシステムの設計についても研究しています。
研究実績学部4年のときの研究です。知的小型移動体AT(Attentive Townvehicle)というのは アルミの角材を使って組み立てられた、ひと1人が乗れる小型の移動体です。 AT は、搭乗者である人間や、自分を取り巻く環境に適応し、 個体間通信によって協調的に動作することを目指していました。 学部4年の時に在籍していた長尾研究室で、 現在も開発が進められています。
私の研究の目標は、ATが周囲の状況を認識することにより人間とAT、 ATと周囲の環境、そして複数台のAT間でインタラクションを引き起こし、 現在の車のような移動体とは違った、 新しい安全で知的な移動手段を(情報工学の視点から)提示するという部分にありました。
一年ではなかなかできることが限られ、 その目標までは行っていないように思いますが、 ATの周囲にある対象物の認識が実際に可能であるということを示すことができました。 詳しい内容については 長尾研究室の私のページ を参照してください。
図. Attentive Townvehicle
上の写真がATです。さまざまな形状のATがありますが、これは "Type A" と呼ばれていた 型のものです。私がいた1年の期間で5台のATを製作しましたが、 この型のものは2台製作したと思います。 アルミ角柱の穴あけなどのためにしばしば電動ドリルや リーマーを使ったり、やすりがけなどしました。かなり骨のおれる作業でした。 何人かで手分けして作業をしていたとはいえ(多いときで6-7人、少ないときで3人程度)、 製作と保守がとにかく大変でした。
東急ハンズの品揃えについて詳しくなれた気がします。
研究実績